マイヘルス2025年秋号発行されました。



健康診断で毎年受ける尿検査。尿を採取するだけの簡単な検査ですが、腎臓や膀胱の状態をはじめ、全身の健康状態を知る手がかりになります。今回は、医療法人厚生会理事長の西山利正先生に、尿検査の重要性や検査結果の見方について伺いました。

・尿検査でわかる体のサイン
定期健康診断では、労働安全衛生規則第44条で定められた11の検査項目を実施することとされており、尿検査もそのひとつです。腎臓が血液をろ過する過程で、異常があると尿に通常は含まれない成分が現れることがあり、体の状態を把握する手がかりになります。

・簡単な検査から多くの情報が得られる
尿検査では、尿検査用ストリップという試験紙を尿に浸し、色の変化で異常の有無を確認します。短時間でできる簡単な検査ですが、さまざまな体の変化を知ることができます。

・尿潜血が陽性になる原因と注意点
生理中や激しい運動の後など、一時的に尿潜血が陽性になることがあります。一方で、腎臓がんや膀胱がん、結核、腎炎、膀胱炎などが原因となる場合もあります。毎年陽性でも「今回は大丈夫」と放置せず、特に陽性が続く場合は再検査を受けることが大切です。

・尿たんぱくが陽性になる原因と注意点
激しい運動や高熱などで、一時的に尿たんぱくが陽性になることがあります。一方、腎炎(IgA腎症など)や糖尿病性腎症などが原因となる場合もあるため、健診で陽性と判定された場合は原因を確認することが重要です。

・尿糖と糖尿病の関係
尿糖が陽性でも、それだけで糖尿病とは判断できません。一時的な血糖上昇や、SGLT2阻害薬などの糖尿病治療薬の影響で陽性になる場合もあります。糖尿病の有無は血糖値で判断します。

・尿ウロビリノーゲンが示す体の状態
健康な人の尿にも、ウロビリノーゲンは少量含まれています。肝機能が低下していると陽性になることがあります。また、疲労や風邪などで体力が落ちた場合にも陽性になることがあり、健診直前に急に運動を始めると異常値が出る場合もあるため、注意が必要です。

・再検査の目安と受診先
尿潜血や尿たんぱくが陽性の場合は、腎臓内科または泌尿器科で詳しい検査を受けることが勧められます。前年度に問題がなくても、翌年に陽性が出る可能性はあります。早期発見のため、必要に応じて再検査につなげましょう。

尿検査は、腎臓や膀胱の病気を早期に発見する手がかりとなる重要な検査です。健診で異常が見つかった場合は軽視せず、必要な再検査を受けることが大切です。特に、膀胱がんなどは早期発見によって治療の選択肢が広がり、患者さんの負担を軽減できる場合もあります。

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