マイヘルス2025年春号発行されました。
高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気につながることがあります。高血圧が原因とされる脳卒中や心筋梗塞などにより、年間10万人以上が亡くなっていると推計されています。今回は、医療法人厚生会理事長の西山利正先生に、高血圧の基準や予防のポイント、日常生活で気をつけたいことについて伺いました。
・高血圧の基準と健康へのリスク
基本的には収縮期血圧(上の血圧)が140mmHgを超えると高血圧と診断されます。130mmHg台は高値血圧、120mmHg台は正常高値血圧と呼ばれ、脳卒中や心筋梗塞を起こした際の死亡リスクが高まるため注意が必要です。血圧は130mmHgを超えないことを目標にするのがよいとされています。
・高血圧の種類と原因
高血圧には、原因が特定できない「本態性高血圧」と、ほかの病気に伴って起こる「二次性高血圧」があります。日本人の8割以上が本態性高血圧です。二次性高血圧は甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、睡眠時無呼吸症候群などが原因となることがあり、原因疾患の診断や治療が必要です。本態性高血圧は、塩分の摂り過ぎや肥満、運動不足、ストレス、遺伝的要因などが複雑に関係していると考えられています。
・減塩のポイント
塩分の摂り過ぎは血圧を上げる最大の要因です。「健康日本21(第三次)」では成人の1日の目標値を7g未満としていますが、「日本人の食事摂取基準2020年版」では男性7.5g未満、女性6.5g未満、日本高血圧学会では高血圧患者の減塩目標を6g未満としています。醤油やソースは小皿に取ってつけて食べる、減塩味噌を選ぶ、漬物やふりかけの量を控える、ラーメンや麺類の汁を飲まないなどの工夫が役立ちます。
・肥満と運動習慣を見直す
肥満は高血圧の要因のひとつです。体重を2〜3kg減らすだけで血圧が正常化する場合もあります。運動はウォーキングなどの有酸素運動がおすすめで、15〜30分の散歩でも効果が期待できます。ただし、運動だけで消費できるカロリーには限りがあるため、食べ過ぎを防ぐことが何より重要です。
・血圧管理で意識したい栄養素
野菜や果物に含まれる食物繊維やカリウムは、余計な塩分の排泄を促し、血圧管理に役立ちます。ただし、腎機能が低下していてカリウム制限がある方は医師の指示に従う必要があります。カリウムは薬のように摂れば効くというものではなく、バナナなどもカロリーが高いため食べ過ぎに注意しましょう。
・喫煙と飲酒が血圧に与える影響
タバコのニコチンは末梢血管を収縮させ、血圧をさらに高めます。禁煙が重要です。一方、お酒は適量であれば末梢血管を拡張して血圧を下げる働きがあります。厚生労働省は男性で純アルコール量20g/日(ビール中瓶1本相当)、女性はそれより少量を適量としています。頬が少し赤くなって気持ちよくなりだしたあたりが適量の目安で、心臓がドキドキしはじめたら飲み過ぎのサインです。妊娠中や体質的にお酒を受け付けられない方は飲酒を避けましょう。
・健康診断の受診と治療の重要性
高血圧は自覚症状が乏しいため、健康診断で定期的に血圧を確認することが大切です。以前より数値が上昇していれば生活を見直すきっかけにしましょう。高血圧と診断された場合は、食事療法や運動療法に取り組み、必要に応じて医療機関で治療を受けることが重要です。昔は降圧剤で認知症が進むなどの副作用がいわれていましたが、近年は安全性の高い薬が開発されており、適切な治療によって安心して血圧を下げることができます。
高血圧は喫煙に次いで日本人の死亡に大きく影響を及ぼす病気であり、20歳以上の二人に一人が患っている国民病です。自覚症状がないため見落とされがちですが、健診で異常を指摘された際には放置せず、生活習慣の改善や必要に応じた受診を行うことが、脳卒中や心筋梗塞などの危険な病気を防ぐ第一歩となります。塩分の摂り過ぎを意識し、適度な運動とバランスの取れた食事、適量の飲酒と禁煙を心がけ、日ごろから自分の血圧と向き合っていただきたいです。
インタビュー全文は下記pdfからご覧いただけます
・高血圧の基準と健康へのリスク
基本的には収縮期血圧(上の血圧)が140mmHgを超えると高血圧と診断されます。130mmHg台は高値血圧、120mmHg台は正常高値血圧と呼ばれ、脳卒中や心筋梗塞を起こした際の死亡リスクが高まるため注意が必要です。血圧は130mmHgを超えないことを目標にするのがよいとされています。
・高血圧の種類と原因
高血圧には、原因が特定できない「本態性高血圧」と、ほかの病気に伴って起こる「二次性高血圧」があります。日本人の8割以上が本態性高血圧です。二次性高血圧は甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、睡眠時無呼吸症候群などが原因となることがあり、原因疾患の診断や治療が必要です。本態性高血圧は、塩分の摂り過ぎや肥満、運動不足、ストレス、遺伝的要因などが複雑に関係していると考えられています。
・減塩のポイント
塩分の摂り過ぎは血圧を上げる最大の要因です。「健康日本21(第三次)」では成人の1日の目標値を7g未満としていますが、「日本人の食事摂取基準2020年版」では男性7.5g未満、女性6.5g未満、日本高血圧学会では高血圧患者の減塩目標を6g未満としています。醤油やソースは小皿に取ってつけて食べる、減塩味噌を選ぶ、漬物やふりかけの量を控える、ラーメンや麺類の汁を飲まないなどの工夫が役立ちます。
・肥満と運動習慣を見直す
肥満は高血圧の要因のひとつです。体重を2〜3kg減らすだけで血圧が正常化する場合もあります。運動はウォーキングなどの有酸素運動がおすすめで、15〜30分の散歩でも効果が期待できます。ただし、運動だけで消費できるカロリーには限りがあるため、食べ過ぎを防ぐことが何より重要です。
・血圧管理で意識したい栄養素
野菜や果物に含まれる食物繊維やカリウムは、余計な塩分の排泄を促し、血圧管理に役立ちます。ただし、腎機能が低下していてカリウム制限がある方は医師の指示に従う必要があります。カリウムは薬のように摂れば効くというものではなく、バナナなどもカロリーが高いため食べ過ぎに注意しましょう。
・喫煙と飲酒が血圧に与える影響
タバコのニコチンは末梢血管を収縮させ、血圧をさらに高めます。禁煙が重要です。一方、お酒は適量であれば末梢血管を拡張して血圧を下げる働きがあります。厚生労働省は男性で純アルコール量20g/日(ビール中瓶1本相当)、女性はそれより少量を適量としています。頬が少し赤くなって気持ちよくなりだしたあたりが適量の目安で、心臓がドキドキしはじめたら飲み過ぎのサインです。妊娠中や体質的にお酒を受け付けられない方は飲酒を避けましょう。
・健康診断の受診と治療の重要性
高血圧は自覚症状が乏しいため、健康診断で定期的に血圧を確認することが大切です。以前より数値が上昇していれば生活を見直すきっかけにしましょう。高血圧と診断された場合は、食事療法や運動療法に取り組み、必要に応じて医療機関で治療を受けることが重要です。昔は降圧剤で認知症が進むなどの副作用がいわれていましたが、近年は安全性の高い薬が開発されており、適切な治療によって安心して血圧を下げることができます。
高血圧は喫煙に次いで日本人の死亡に大きく影響を及ぼす病気であり、20歳以上の二人に一人が患っている国民病です。自覚症状がないため見落とされがちですが、健診で異常を指摘された際には放置せず、生活習慣の改善や必要に応じた受診を行うことが、脳卒中や心筋梗塞などの危険な病気を防ぐ第一歩となります。塩分の摂り過ぎを意識し、適度な運動とバランスの取れた食事、適量の飲酒と禁煙を心がけ、日ごろから自分の血圧と向き合っていただきたいです。
インタビュー全文は下記pdfからご覧いただけます